ASKAさんの音楽を聴く理由
久々に結構な雨が降った朝。
駅まで自転車で行くのはやめて、歩くことにした。
今日は少し長く音楽を聴ける。わくわく。
何にしようかな。
雨の朝に気分を上げていける曲がいい。
玄関を出てかけた曲は、Bon Joviの"It's my life"。
カッコ良すぎるー。
ビートがいい。ジョンの歌い方もしびれる。
続いて"Livin' On A Prayer"。
この曲、何が好きってベースラインが最高。
ビートを刻みながら、こんなにメロディアスな旋律を弾いてるって、ベースってずるい!カッコいい!
そういえばASKAさんが以前に「Bon Joviみたいな曲が出来た」って書いていた気がするけど、どの曲なんだろう。気になるー。
歩きながらすっかり楽しくなってきた。
次は何を聴こう。
決めた。"A Sky Full of Stars"。
ColdplayとAviciiのコラボ曲。
ColdplayもEDMもAviciiも大好きな私にとって、気分を上げたい時のキラーチューンとして真っ先に候補に挙がる一曲。
この曲はなんだろう、とてもシンプルな曲なのだけど、気持ちがどんどん高揚して最高の気分になってくる。
それにしてもAvicii、どうして逝ってしまったのよう。
ちょっと恋しくなって、Aviciiの"Without You"を聴き、その後は彼の曲を聴きながら会社に着いた。
帰り道は、邦楽を聴くことにした。
久々に宇多田ヒカルが聴きたい気分になって、何曲か聴いた。ヒッキーのリズム感や言葉の使い方って本当にすごいなって思う。
それから華原朋美の"I'm Proud"を。
高校生の時からずっと聴き続けている大好きな曲。
起伏に富んだメロディは、切なさの中にも力強さがある。澄んだピアノとストリングスが印象的な、クラシカルな雰囲気の壮大なバラード。なのにリズムはしっかり4つ打ちダンスビート!かっこよすぎる、TK!!
そしてこのともちゃんのボーカルに小室さんのハモりが乗るのが、何度聴いてもきゅんとしてしまう。
TKの曲をもっと聴きたくなったので、次はglobeの"DEPARTURES"。
この曲、サビ直前のドラムの入り方が、1回目から3回目までで全部違う。だんだん高揚感が増すように激しくなっている、ということにある時気が付いて、TKすごい!って一人エキサイトした。
小室さん元気かなー。TK Music、また聴きたい。
今日は雨のおかげで音楽を楽しめた。
うん、音楽って楽しい。
夜、寝る前の寝室でASKAさんの曲を聴いた。
シャッフル再生で、「心に花の咲くほうへ」「good time」「信じることが楽さ」が流れた。
なんて素敵な選曲なの。しみじみと聴き入る。
そして聴きながら考えた。
日々色々な音楽を聴くけれど、何故私はASKAさんの音楽をずっと聴き続けているのだろう。
他の音楽とは、少し違う聴き方をしているような気もする。
私にとってASKAさんの音楽は、どんな意味を持つのだろう。
ここに何かを書きたいと思えるほどの理由は、どこにあるのだろう?
数日考えてみて思ったこと。
そもそもどうして、そのような疑問が私の中に生まれるのか。
「私は何故、ASKAさんの音楽を聴きたいのか?」
もしかしたら、このようなことを考えてしまうこと自体が答えなのかもしれない。
私の中に問いが生まれる音楽。
本を読んでいるとそのうち、著者と対話しているかのような気持ちになることがある。
私はそれに似たものを、ASKAさんの歌にも感じているような気がする。
聴いていると、私の中にたくさんの問いが生まれて、それについてもっと考えたくなる。
深く沈んでは浮かび上がることを繰り返しているうちにふと、はっとする瞬間が訪れて、それと同時に新たな問いが生まれる。
ASKAさんも同じ問いを持っただろうか。心の中で対話する。そしてまた聴いてみる。
ASKAさんはこう歌った。
「言葉じゃそれほど伝わらないのに
黙っていれば伝わることもある」
黙っていれば伝わる、とは一体どういうことなのだろうと、この曲を初めて聴いた時からずっと考えていた。
言葉では伝えきれないことがある。
でももし、私達に言葉が存在しなかったら?
きっと、伝えられることは限られている。
言葉にすると失われてしまうものや、言葉に出来ない想い。
それらは、逆説的だけれど、言葉があるからこそ
その存在を浮かび上がらせることが出来るのではないか。
言葉がないところには、行間や余白は生まれない。
ASKAさんは、メロディをまとった言葉でそれらを立体的に描く。
その歌はきわめて双方向的な形で私に作用して、私の中に問いと対話を生み出す。それについて、言葉で表現してみたいという気持ちになる。
私達は、言葉でどれくらいのことを伝えられるのだろう。
とてもちっぽけなことかもしれない。
でもASKAさんの歌を聴いていると、
「言葉の力を信じる」という気持ちになれる。
言葉が心を超える瞬間に、連れて行ってくれる。
私にとってASKAさんの歌は、たぶんそういう存在。
とはいえ。
「ASKAさんの何がそんなに好きなの?」って毎度不機嫌そうに聞く娘には、
「えっとー。まず声が好きでしょ。それからかっこよくて、お茶目で、ネクタイが似合うの。特に水玉ね!そしていい歌うたうんだよねぇ。」
と答える私。あー愉快。大人しくあいみょん聴いてなよ。
さあ来週はいよいよ東京文化会館。
どうしよう。