SCENE III

f:id:romi822:20170119192716j:image 

2005.11.23 リリース

このアルバムは、実はこれまでそんなに聴いてこなかった。

何となく、手が伸びなくて、仕舞ったまま時が過ぎていた。My Game is ASKAは何度も何度も観ていたのだけれど。

でも発売された時は、はりきって3枚購入した。
山野楽器で、CDを買うとオリジナルのASKAさんメモ帳と、ASKAさんグッズに応募出来る抽選ハガキがもらえるから、それが欲しくて3枚買ったんだった。

ハガキに、「どうしてもASKAさんグッズが欲しくて3枚買いました!」って書いてたな。

今思うと、なんてお金の使い方を知らなかったんだ、私…。

でもそれでASKAさんの写真入りフォトフレームが当たって家に送られて来た時は、飛び上がって喜んだな。きゃーーーわぁーーーーいかっこいーーー♡って。

それから11年、私は一体何回このアルバムを聴くことがあっただろう。

去年の年末、good timeが聴きたくなって、YouTubeで何度も聴いた。

そのうちに、CDでも聴いてみようと思って久々に取り出してみた。

アルバムを通して聴いて、散文詩と歌詞を読んで、はっとした。

この作品のテーマが、"loop"であること、一曲一曲にそのコンセプトが込められていることに、その時初めて気が付いた。

birthに始まり、背中で聞こえるユーモレスクに向かい、そしてloopの曲がここにあることの意味に、11年経って初めて気が付いた。

聴いていたようで、通り過ぎてたんだ。

会報を見返してみたら、「曲をつないだときに、きれいな円になっているような」アルバムを意識している、というコメントがあった。

ここでも、通り過ぎていたんだな、私。

でも、やっと気が付けて、良かった。
そしてそれは、時間だけが理由ではなくて、色々なことが絡み合って、影響しあっての結果。

人は、生きている間にも、輪廻を繰り返しているんだなと感じさせてくれる素晴らしい作品。

11年分、聴いてみよう。

WAVE

 

子供が寝静まり返った真っ暗闇の寝室で、音楽を聴いていた

PRIDEがかかった時、急に昔の光景が蘇った

小学生だった私が、レコードショップへの道を歩き、二人のCDを買いにせっせと通った日々

新譜を買う時は違うところに行ったけれど、
このお店には旧譜がたくさん置いてあったから、ここに来た

家から子供の足で歩いてきっと15分位
真っ黒にそびえ立つビルの中は、ちょっとした異空間で、オトナの雰囲気が漂っていた

他のレコードショップとは違うものを子供ながらに感じて、
ここでCDを買うのは特別なことな気がしていた

PRIDEのアルバムもここで買ったんだった
分厚いブックレットを何度も読んで、歌詞を追いながら曲を聴いた

二人が折に触れて「若いファンの子は、まだ歌詞の意味が分からないかもしれない」

ということを言うと、私は、全然、分かってるのに、と思っていた

書かれている日本語を日本語として理解しているだけだったと気付いたのは、ずっと後になってからだった

WAVEはやがて閉店となり、あの黒いビルはなくなって、街はすっかり姿を変えた
私も住むところが変わり、訪れることも少なくなった

故郷だなんて、思ったこともなかったけれど、
やっぱり、あの街で育ったんだな

大人になっていくほどに、経験を重ねるほどに、二人の音楽の聴こえ方が、変わっていった

それが、今も続いているなんて

ありがとう

good time

 

ひらがなを漢字に変換するように、
心を言葉に変換出来たら良いのに

心の中を、言葉で正確に表現するのはとてもむつかしい

音楽を創り出すことなど到底出来そうにない私は、いつも思う

音楽と言葉では、どちらが心を上手く表現出来るのだろう

でも、切ない夕陽は、このメロディだからこそより切なく感じられるし、

このリズムに心地良く揺られていると、抱き合う二人の鼓動が聞こえてくる気がする

ASKAさんの歌声と楽器が奏でる美しいハーモニーが、恋人達が味わう今この瞬間と、遠くに想いを馳せる時の壮大さを感じさせてくれる

言葉と、メロディーと、楽器と、リズムと、歌声

全てが調和して、心を揺さぶる

そんな調和を、創り出している

8分音符の波に揺られながら、
私も次を思い出してみたくなった

贅沢なひと時に、ありがとう

気持ち

 

音楽を教えてくれてありがとう

言葉について考えさせてくれてありがとう

生きることが続いて行くことの意味を教えてくれてありがとう

みんな、あの出来事があったからこそ、
深く知ることが出来た

信じることも、信じないことも、必要ない
ただ、ありのままを受け入れるだけ

ASKAさんが生み出す音楽を今日も
こうして聴けることに、感謝するだけ

園だより

カトリック系の幼稚園に通う娘が持ち帰った、園だよりに書かれていた神父様の言葉。

人間関係には「できる」ことで結ばれたものと、「である」ことで結ばれたものがあり、例えば会社での人間関係は、その人が何かを「できる」人であることを基本にしている。その人が病気やけがで何もできなくなってしまえば、同じ関係を続けることは難しくなる。

一方、家族の関係は、その人がその人「である」ことに基づいていて、その人が自分の子どもだから、親だから、兄弟姉妹だから、ということだけで結ばれている。病気やけがで何もできなくなっても、それで家族の絆が消えることはない。何があっても、その人がその人である限り、寄り添い続ける。


読みながら、大切なことに改めて気付かされました。

出来事ばかりに目を向けると、時々忘れてしまいそうになったりするけれど。

ありのままを受け入れ、ありのままを愛する。「である」ことに感謝する。

この気付きを胸に、今日もこれからも、学び続けたいと思います。

12

f:id:romi822:20161126055857j:image

2010.2.10 リリース

このアルバムは、本当に。
とってもキラキラしていた。

新しい洋服を着た曲達はどれも魅力的で、心からワクワクした。LOVE SONGのイントロを聴いた時の、わぁーーー!っていう驚きを忘れられない。なんて新鮮なの。この曲のMV、温かくて世界の愛が詰まっていて素敵だったな。ASKAさんの笑顔から幸せが溢れていて。

そしてジャケットのASKAさんは格好良すぎだった。通勤電車の窓に12のジャケット写真が貼ってあって、ここから乗るとASKAさんに会える〜♪ってホームで電車を待ってたんだ。ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車がこんなに楽しく感じられるなんて。それで会社に着くと、デスクにもこの写真のASKAさんが待っていて、再びテンションが上がった。まだそれが許される若さだった、はず。

車でもいつも12を聴いていて、ある時、友人の韓国人ご夫妻を車に乗せて走っていたら、旦那さんが突然、「Romiさん、この曲いいですね〜。」と言った。LOVE SONGか、風のライオン、どっちだったかなぁ。外国の人に不意にそんなことを言われたので驚いていたら、「声がとってもいいですよ。」と。うんうん♡韓国の人にも、ASKAさんの音楽が心に響いたのだと思うととても嬉しかった。

彼らはチャゲアスを知らなかったけれど、私は、韓国で日本の歌が解禁になった時に、チャゲアスが初めてコンサートを行った日本人歌手であることや、その時にASKAさんが感極まって歌えなくなっちゃったんだよ、と熱く語った。

その後しばらくしてご夫妻は日本を離れた。2011年の震災の時には、すぐに韓国から電話をくれて、食材をたくさん送ってくれて、温かい心遣いに心から感謝した。国との間では色々あっても、こんなに素敵な友達がいるのだから大丈夫、って思えた。

金さん、何年も会っていないけど元気かな。次会う時は、また一緒にASKAさんの歌を聴こうね。

 

それにしても、12って良いタイトルだな。この12曲から放たれる音の一つ一つが12音のどれかを奏でていて、それらが集まって楽曲になっているのだと思うと、この12曲達がたまらなく愛おしく思えてしまった。