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友人から、レンタルしたBlu-rayが映らないので、試しに何でもいいからBlu-rayを貸してと言われた。

我が家で所有しているBlu-rayはこの方のものだけであります、と言って昭和が見ていたクリスマス!?を差し出した。

先日そのお家に行くと、「やっぱり映らなかったー。私もちょっとASKA観てみたかったよ」と無邪気な笑顔で彼女が言う。

そして、身を乗り出して続ける。

「ねえねえ、それでさ。ASKAの何が良くて好きになったの?曲?歌詞?声?それとも顔?どれ?」

えっ。そんなこと誰かに聞かれたのっていつ以来かしら、この空間でこの話題になるなんて想定外すぎるー。と思いながらも、

「ぜんぶー♡」

と答えたわけなんだけれども。

それから、彼女はスピッツが好きで、スピッツの歌詞もなかなか難しいという話になった。

すると彼女が唐突に言う。

「私ASKAの曲って全然知らないんだけどさー、なんかASKAの歌って、女の人と一晩過ごした次の朝、って感じがしちゃうんだよねー」

きゃー何それ‼︎ ていうか知ってる曲って3曲しか出てこなかったじゃん。チャゲアスと言えばモーニングムーンでしょ、に始まり、SAY YESは知ってる、あと辛うじて「今夜君のこと〜、ニャニャニャニャー」だったけど。

でもその割に、言わんとしていることは分かる気がするよ。

スピッツはね、もっと学生の恋愛みたいな、そういう清々しさがあるの」

えーそうなの!? でもそう言われると、聴き込んだことはないけど、少女とかレンゲ畑が出てきそうなイメージ。そうか、両方とも、言い得て妙かもね。

なんて言って大笑い。

その後は、一連の事件の話になった。これらの出来事に対して友人が持ったイメージは、およそ世間一般が抱いているそれと同じなんだろうなと思いながらうんうんと聞いていた。

でもね、そんな状況になっても、ASKAさんは世にむけて音楽を投げかける、それをする、っていうのが素晴らしいの、と、隣でハイハイって顔をしてる夫と、今にもソファで酔っ払って眠りに落ちそうな彼女の夫を横目に、熱弁を振るう私。

一度染み付いてしまったイメージを覆すのはきっと難しい。でも、歌はそこに見え隠れする作り手の生き様があってこそ響くものだとも思う。ASKAさんは、全てを携えて、新しい魅力として音楽に吹き込んだ。それに気付いた人達が、新たな聴き手となっていくんだろうな。

なんてことを翌日、娘とサーティワンでアイスクリームを頬張りながら考えていたのだけど。

どうしても、昨日のあの一言が可笑しくって思い出し笑いしてしまう。

夜、帰宅した夫に聞いた。

「ねえねえ、昨日のあの例え、どう思う?」

少しの間を置いて、夫はこう言った。

「そうだねぇ、確かに艶っぽいところがあるよね、ASKAさんは。スピッツは確かに清々しいんだよ。」

艶っぽい…

そうかぁ、それって、あれは褒め言葉だったってことね!

なんか楽しくなっちゃった。

みんな大好きありがとう。

それでも、今がいい。

そう思えることに、ありがとう。