25年分のラブレター

ASKAさんへの想いや思い出を綴るブログ

700番 第一巻

 

この本は確か、3月20日に届いて、翌日から読んで、23日にはざっと所感を書き終えていた。だけどどうも、その書いた文章を読み直したり推敲するのは気が進まなくて、この本について考えをめぐらすとか書き記すというのが何故だかとても重荷なことのように感じてしまった。

第一巻を当初ネットで読んだ時の衝撃と比べれば、その受け止め方は大分変わって、内容を冷静に受け止めることが出来ていた。当時は言い訳のように聞こえてしまった薬をはじめた理由というのも、時間が経って改めて読むと納得出来た気がするし、あの時は、この文章が後遺症の影響によるものなのか私には全く判断出来なかったけれど、そうではなかったのだろうと思えた。

これだけの時間を経て、改めてASKAさんの変わらない主張に触れる、その意味を感じていたと思うのだけど、どうも、読み終えると、なんとも言い表しがたい気持ちになってしまった。

ここに、長くはとどまっていたくないという、そういう気持ち。それは、純粋な読書体験としての性質に起因する何かだったのかもしれないとも思うけれど、考えてもさっぱり分からない。

私はこの本を早々にしまい込んで、他の本を読むことにした。その時の私はあらゆる分野の本を乱読していて、それらが自分の中で繋がってくるのを楽しんでいたけれど、この本を読んだ後は、とてもそんな気分になれなくて、私を受け止めてくれる一冊にすがりつきたい気持ちだった。

目の前にある本達をぱらぱらめくって、これだと思った。村上春樹のエッセイ。職業としての小説家。村上さんの、平易な言葉で書かれたそれは、するすると私の心に染み込んで、何度も共感する場面に出会って、それは深い安堵感を感じる、貴重な体験となった。

そして読み進めていくと、小説を書くのにあたり物事を深く観察し、考えをめぐらせるということについて、村上さんはこう言った。

「「考えをめぐらせる」といっても、ものごとの是非や価値について早急に判断を下す必要はありません。結論みたいなものはできるだけ留保し、先送りするように心がけます。」

「後日、もっと気持ちが落ち着いたときに、時間の余裕があるときに、いろんな方向から眺めて注意深く検証し、必要に応じて結論を引き出すことも出来るからです。」

どうして私にこんなに的確な言葉を投げかけてくれるの。村上さん、ありがとうー。そうだよね、結論をすぐに出す必要なんてないんだよねって、とても心が軽くなった。もう私はどっぷりハルキワールドにもぐり込んで、そこから抜け出したくなくなった。

しばらく、ASKAさんの音楽をそんなには聴かなくて、文章を綴る代わりに本を読んで、子供達とたくさん遊んで、大好きなミシンを取り出して、毎日夕飯をどうしようかと考えて、そんな日々を送っていた。

そうしたらやっぱりだんだん気になってきて、久しぶりに聴いてみたら、なんというか、とても良かった。それはたまたま、no doubtだったのだけれど。
好きだなぁ、この曲も、ASKAさんも、やっぱり。

ようし、今ならまた読めるかもしれないと思って、第一巻をどこに置いたかしばらく探し回るところから始め、見つけて開いてみた。

そうしたら、なんでだろう、やっぱり読めなかったのだけれど、当初書いた自分の所感を読み直してみて、その芯となる部分についての考えは変わっていないということは確認出来た。

ずっと考えていた、去年の逮捕のこと。ASKAさんが無実であったならば、一体何故、あんな大事件を経験しなければならなかったのだろう?逮捕されたことも、メディアの行動も、釈放も、あれは一体何だったのだろうと思ってしまう。

ASKAさんは700番第一巻の前書きに、この本には、第ニ巻/第三巻での行為にたどり着いた理由が書かれている、と述べていた。

私はそれをとても理解出来たと同時に、この一連の出来事は、彼女の無実を証明するために、ASKAさんが身を持って体現したという出来事だったのかもしれないと思えた。

この二回目の逮捕があって、その経緯と理由をASKAさんが説明する機会があって、それを知ることで、私ははじめて、ASKAさんの第一巻の主張を理解することが出来たのではないかと思う。だから、そういう意味においては、必要な出来事だったのかもしれない。

でもすっきりしなかった気持ちのその正体は、まだ分からない。ぼんやりそうかもしれないと思うことがあって、それはその女性のことを全ての文脈から切り離して考えた時に思うことと、全体の調和はどこに求めたら良いのだろうという、そこに芽生える自分の中の矛盾。多分そういったものがある。

でも矛盾は誰の中にもあるもの。時に矛盾こそが私達を前に進めてくれているのかもしれない。だからそれはそれでいいのかな。描いた絵を何度でも直せばいい。そこに立ってその時分かることばかりだものね。

not at allが聴きたくなったよー。
今日は、そんな気分。